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【ライヴ 感想】純名里沙 Christmas Night 2016 with 笹子重治 & Special guest 村上ゆき (2016.12.08 横浜Motion Blue)
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    ・純名里沙 Christmas Night 2016

      with 笹子重治 & Special guest 村上ゆき

     (2016.12.08 横浜Motion Blue)

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     去る12/8(木)、横浜のMotion Blueでおこなわれた「純名里沙 Christmas Night 2016 with 笹子重治 & Special guest 村上ゆき」を聴きました。もう2週間以上も前に聴いたライヴですが、備忘録として、感じたことを書き残しておこうと思います。本当は、7月に、純名里沙がピアニストの林正樹と共演したライヴも聴いたのですが、感想を書きそびれてしまいましたし。

     

     今回は、シンガーソングライターの村上ゆきがゲスト出演し、村上のピアノに合わせてのデュエットや、笹子のギターとのトリオでのパフォーマンスが披露されました。ですから、選曲も含め、いつもの純名と笹子の純粋なデュオのライヴとは、一味も二味も違う音楽を聴くことができました。中でも、私が特に心を動かされたのは、村上ゆきのピアノ伴奏で歌った”Let It Go”と、3人が演奏した「ノエル」でした。

     

     前者は、以前、笹子のギター伴奏でも聴いていて、それもとても良かったのですが、ピアノ伴奏だとパワフルな盛り上がりがあり、また別の良さがありました。高い音を怖れずに「当てにいく」潔さが快感で、ヴォルテージが全開になっていくさまもゾクゾクして鳥肌が立ちました。それにしても、ティアラをつけて歌う彼女の姿と声は、美しかった。

     

     クリスマス前ということで取り上げられた「ノエル」は、一転、会の賛美歌を意識したような旋法を使った、しみじみとした静かな佇まいの音楽。電気を消した部屋で、キャンドルを灯し、愛する人たちと静かに語らうような親密さが、とってもあったかい。女性二人の清らかな歌声に彩られて、思わずホロリと涙ぐんでしまいました。

     

     他では、小林明子の「恋に落ちて」も印象に残りました。しっとりと、でも、何かに懇願するような恋心を、二人が切々と歌い上げる。報われない恋に身を焦がす女性の気持ちがこんなに切なくて哀しいものなのだとしたら、やっぱり不倫なんかしちゃいかん、ゲスなことはダメだ、と思ったりしたのですが、それでも恋に落ちてしまうのが男と女、というものなのでしょうね・・・。

     

     また、純名里沙作詞、笹子重治作曲の「キャンドル」(そう言えば、同じ会場で2年前に聴いたときが「初演」だったように記憶します)も、村上ゆきと純名里沙の声の絡み合いと、そこにまとわりつくギターの響きがとってもエッチで良かったし、「トライ・トゥ・リメンバー」もしみじみといい歌。アンコールで歌ったミュージカルナンバー(曲名を失念しました、“Time to say goodbye”みたいなタイトルでした。あれとは別の曲ですが)でも、後ろ髪引かれるような名残惜しさをたたえた歌が沁みました。

     

     こうして今回印象に残った歌を思い出してみると、それは、彼女が我を忘れ没入して歌ったナンバーだったんじゃないかと思います。私の勝手な思い込みかもしれませんが、後半、PAの状態など現実的なしがらみから解放され、彼女がただ純粋に音楽にのめりこんで歌えた。私はその歌にすっと引き込まれていったような気がします。

     

     今年の5月、私は笹子重治を始めとするショーロ・クラブが、アン・サリーやおおたか静流、畠山美由紀らのシンガーを迎え、武満徹のSONGSを演奏するコンサートを聴きに行きました(感想は書けてませんが、素晴らしかった!)。そのとき、ゲスト出演した谷川俊太郎が「名作は、夢遊病のような状態で作ったときに生まれる」と言っていたのを思い出しました。


     今回、例えば”Let It Go"のようなナンバーでは、彼女は、その夢遊病のような状態、あるいは、トランス状態というような領域へと入り込んで歌えていたんじゃないでしょうか。そして、私は、そんな彼女の歌に惹かれるのだろうと思います。実際にそういう歌を何度も聴いてきましたから。

     反面、いくつかのナンバーで、ごくわずかな瞬間ですが、彼女が、自分の目指す音楽と、実際に聴こえてくる音のギャップに戸惑い、夢遊病的な領域の一歩手前くらいにとどまって歌っているように思えたことがありました。その主な原因はPAにあったのかもしれませんが、それだけじゃないような気もする。彼女が、どんな環境であっても、その完全主義者的な厳しさから自分を解放して自由に歌えるような場を、聴き手、制作側、そして、彼女自身が一体となって、常に作ることができれば、彼女のうつくしい歌は、もっともっと輝きを見せられるのかもしれないなと、そんなふうに感じました。まったくの素人の意見ですし、じゃあ一体どういうことをすればそれが実現できるかなんて分からないのですけれども、正直な感想です。

     

     いつもさりげなく純名里沙の歌に寄り添い、音楽の大きな枠組みを作る笹子重治のギターは、やっぱり素晴らしい。この人は最近、私の「人生の師匠」のように思えてならないのですが、きっと「いろいろあるけど、生きてさえいれば何かいいことあるよ」と微笑んで私を肯定してくれるような優しさがいいんだろうと思います。どんなジャンルの音楽だろうが、その素材のおいしさを損なうことなく、ピタッとはまるような見事なアレンジをし、それをまた即興性豊かな音楽として聴かせてくれるのが、かっこいい。私はミュージシャンじゃありませんけれど、彼のように、実はとっても凄いことを、さらりと、やってのけ、しかも全然承認欲求なんて微塵も感じさせないような飄々としたおじさんになりたいなと、できもしないことを望んだりしてしまいました。

     

     ゲスト出演した村上ゆきという人は、以前、積水ハウスのCMできれいな声を聴かせていたのをよく覚えていたのですが、やっぱり声がきれい。のびやかで、でも、どこかちょっと官能を帯びたような色っぽさがあって。ピアノもメロウな音色ながら、ちゃんと音楽を盛り上げる力もあって、いい。自作曲の弾き語りも、サビに入ったところで聞かせる意外なコード進行の心地よさが結構ツボで良かった。この人の音楽、もっと聴きたいです。ファンになります。

     

     というようなところが、今回の私の感想。さっき私は偉そうなことを言ったような気がしますけれど、これだけは言っておきます。いつものとおり、私は、心から愛する純名里沙の歌にうっとりと聴き惚れ、楽しくて幸福な時間を過ごしました。ずっと彼女の歌を聴いていたかったし、彼女の姿を見つめていたかった。それに、また次のライヴも絶対に聴きに行きたいと心の底から思いましたし、MCで出てきた「もうそろそろ二枚目のアルバムを」というお話、是非是非実現してほしいと切望しています。

     

     今年のライヴ納め(になると思います)として、純名里沙の歌を聴けたのは、とても幸せなことでした。来年はバレンタインデーの日に、渋谷でライヴをやってくれるそうなので、こちらも聴きに行きたい。チョコレートを彼女からもらうことは不可能でも、歌を聴かせてもらえれば、それが最高の幸せです。

    | nailsweet | 純名里沙 | 02:11 | comments(0) | trackbacks(0) |
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