【告知】CDライナーノート執筆しました(リフシッツのベートーヴェン)

2017.06.25 Sunday

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    ・ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第30〜32番

     コンスタンチン・リフシッツ(p)

     (2013.02.09 所沢市民文化センター ミューズ アークホールでのライヴ録音) 

     (若林工房)

     →詳細はコチラ(Tower/HMV)

     

     

     

     

     まもなく若林工房から発売される、コンスタンチン・リフシッツがベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30〜32番のCDで、ライナーノートを執筆する機会を頂きました。当然のことながら、私が担当したのは、これまで若林工房に二度書かせて頂いた音盤同様、曲目解説ではなく、いわば「前説(実際には後説ですが)」的な文章。当盤は2013年2月に所沢でライヴ録音されたもので、数日前、大手CDショップのサイトにもインフォメーションが掲載されました。

     

     リフシッツのベートーヴェンは、同時期の東京公演を聴き、拙ブログでも感想を残していますが、それとは別の日の演奏ですし、実演の細部の記憶薄れているので、新鮮な気持ちでテスト盤を聴き、書きました。何しろまったく慣れないことですから骨は折れましたが、大いなる喜びをもって取り組み、今の自分にできる精一杯のことはしました。

     

     いや、そのような私の個人的な事情はさておいても、リフシッツの弾くベートーヴェンは素晴らしいと思います。曲自体がすべてを包摂する大きな音楽だからということもあるでしょうが、リフシッツという音楽家の美質が、全人格的に余すところなく反映された、いわば総決算的な音楽になっているのです。作曲家によって、あるいは作品によって驚くほど異なった表情を見せる彼の複雑で多様な「分人(平野啓一郎氏の造語)」的要素がすべて、このベートーヴェンの音楽の中で時に融合し、時に拮抗しながら、最終的には美しく均衡しているのです。そこが、彼の演奏するベートーヴェンのユニークさであり、胸を打つポイントだと感じました。

     

     そんなリフシッツの卓越した演奏と、海外の著者による充実した曲目解説を収めた、魅力的な音盤の品格に相応しい文章を書けたかというと、まったく自信がありません。でも、私の文章はどうであれ、この音盤を手にとって、演奏を聴いた方々が、リフシッツとベートーヴェンの音楽の「宇宙」に抱かれ、幸福な時間を過ごして下さったら嬉しいなと心から思います。

     

    久遠の美をもとめて〜時空を超えてはばたく天才のファンタジー

     

    世界が注目する才能、コンスタンチン・リフシッツによる2013年来日公演ライヴ録音。ベートーヴェンの最後の三つのソナタの登場です。リフシッツは透徹した美音と圧倒的なテクニックを自在に駆使、まるで宇宙の真理を解き明かすように、怜悧な感性と鋭敏な知性の結びついたユニークな解釈によって、人類の叡智の結晶ともいうべきこれらの傑作に新たな命を吹き込んでいます。ロシア・ピアニズムの偉大な伝統を受け継ぐ希代の天才の稀有なるピアニズムをお聴き逃しなく。(販売元情報)

     

    【収録情報】
    ベートーヴェン:
    ● ピアノ・ソナタ第30番ホ長調 op.109
    ● ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 op.110
    ● ピアノ・ソナタ第32番ハ短調 op.111

    コンスタンチン・リフシッツ(ピアノ/YAMAHA CFX)

    録音時期:2013年2月9日
    録音場所:埼玉県、所沢市民文化センター ミューズ アークホール
    録音方式:ステレオ(24-Bitデジタル/ライヴ)

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    2018.07.19 Thursday

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