Langsamer Satz

クラシック音楽のことなどをのんびり、ゆっくりとお話したいと思います
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【ディスク 感想】親密 (Intimamente) 〜 セルソ・アルベロ(T) フアン・フランシスコ・パッラ(P)
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    ・親密 (Intimamente)

     セルソ・アルベロ(T) フアン・フランシスコ・パッラ(P)

        (Sony Classical)

     →詳細はコチラ(Tower/HMV)

     

     

     

     

    <<曲目>>

    1.カルロス・グァスタビーノ:パンパ・マパ
    2.カルロス・グァスタビーノ:私はこれで失礼します
    3.カルロス・グァスタビーノ:サンペドロの男
    4.カルロス・グァスタビーノ:兄弟のミロンガ
    5.アルベルト・ヒナステラ:忘却の木の歌
    6.アウグスト・ブラント:夢の中での口づけ
    7.アルフォンソ・エスパルサ・オテオ:そうだと言ってくれ
    8.アルフォンソ・エスパルサ・オテオ:モルチャ
    9.オスマン・ペレス=フレイレ: アイ、アイ、アイ
    10.カルロス・グァスタビーノ:私の小さな村
    11.カルロス・ロペス・ブチャルド:荷馬車引きのうた
    12-14.ホアキン・トゥリーナ:ロペ・デ・ヴェガ礼讃 Op.90
    15-19.ホアキン・トゥリーナ:カンシオーネス形式による詩 Op. 19

     

    ---

     

     まだ毎日のようにブログを更新していた頃、「アルゼンチンの音楽」というカテゴリーを作り、せっせと文章を書いていたことがあります。ネットラジオOttavaを通して、アルゼンチンの作曲家たち、例えば、カルロス・グアスタビーノや、アルベルト・ヒナステラといった人の音楽に興味を持ち、CDを購入しては感想を書き散らかしていたのです。

     

     以来、ブログに投稿することは全然できていないのですが、アルゼンチンの音楽は、それなりに聴き続けてきました。特にグアスタビーノは、ピアノ曲であれ、声楽曲であれ、甘いメロディを持った音楽に目がない私にはたまらない魅力をもった音楽が多いので、彼の作品を収めたCDが出るとついつい手が出てしまうのです。

     

     そんなグアスタビーノ好きの私にお誂え向きの新盤が出ました。”Intimamente”と題されたアルバムで、スペイン生まれのテノール歌手、セルソ・アルベロが、ソニークラシカルからリリースしたスペイン語歌曲集です。フアン・フランシスコ・パッラのピアノ伴奏で、グアスタビーノや、ヒナステラなどのラテン・アメリカの作曲家と、スペインのホアキン・トゥリーナの歌曲を19トラック分歌っています。

     

     とにかく、聴いていて楽しかった。どの曲も、湧き立つようなリズム、ちょっぴり湿り気を帯びた官能的なメロディ、いつもどこかにセンティメントを秘めた和声、どれもが私のツボを刺激する。

     

     そして、グアスタビーノの音楽は、やっぱり、いい。特にメロディが、いちいち私の琴線に触れる。ずっと前にこのブログで書いた通り、私が彼の音楽に猛烈に惹かれるのは、彼が「パンパ(アルゼンチン)のシューベルト」と呼ばれていることとそれなりに相関がある気がします。相性が良いというのでしょうか。今回のアルバムで、知名度がそれなりにあるはずの愉しい「鳩のあやまち」が入っていないのは残念だし、収録曲が5曲だけというのもちょっと寂しいけれど、今まで聴いたことのない曲もあって嬉しい。

     

     他にも、ふるいつきたくなるくらいに魅力的な曲がたくさん。ヒナステラのピアノ曲の原曲「忘却の木の歌」や、ヴンダーリッヒらが愛唱したフレイレの「アイ・アイ・アイ」などの有名曲だけでなく、ブチャルドや、トゥリーナの歌曲も、もっと聴く機会が増えてもいいのにと思わずにいられない佳品揃い。トゥリーナは、最近、いくつかのアルバムで印象に残る曲と演奏を聴いた記憶が新しいので、ちょっと追いかけてみたいと思います。

     

     アルベロは、何度か日本にも来たことがあり、震災直後、来日を中止したフローレスの代役で「清教徒」を歌ったとのことですが、私は初めて聴きます。
     彼の歌は、声も歌い口も、アルフレート・クラウスや、ホセ・カレーラスといった同郷の先達よりも、メキシコ出身のラモン・ヴァルガスに近いと思いました。

     声に粘りと甘さがあって、歌い口もウェット。でも、リリック・テノールらしい軽やかさと、明るさもあり、聴いていて気持ちいい。時折、音程が下がり気味になるのが気になることはありますが、音楽を楽しむ分には支障にはなりません。何よりも、これらのスペイン語歌曲のもつ魅力を、丁寧に、そして楽しげに開陳してくれていることに好感を持ちます。

     

     難しい理屈抜きで、音楽を聴く喜びを味わいたいときに、リラックスして聴き、愉しめるアルバムだと思いました。これらスペイン語の歌曲が、日本でももっと親しまれるといいなと心から願いつつ、このエントリーを閉じることとします。

     

    ※蛇足

     このアルバム、ジャケット裏の曲目一覧にはなぜか作曲家名がどこにも記されておらず、曲名しか掲載されていません。なので、CDショップで手にとったとき、これは一体誰の作品を歌ったものだろうかと考えてしまいました。しかし、いくつかの歌曲の名前からグアスタビーノの名前にたどり着けたので、見落とさずに入手できましたが、ちょっと不親切なジャケットだなと思いました。

    | nailsweet | クラシック音楽 ディスク | 01:50 | comments(0) | trackbacks(0) |
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