(続々)タワーレコード渋谷店のリニューアルに思う(完結編)
2019.01.21 Monday
昨日(1/19)は、タワーレコード渋谷店のリニューアルオープンの日でした。この土日は行っていないのですが、金曜日には7Fが先行オープンしていたので、例によって会社帰りに寄りました。ちょうどレコ芸のフライングゲット日でもありましたし。
これまでクラシック、ニューエイジ、落語で1フロアを占めていた7Fには、ジャズ、フュージョン、ワールド、ブルース/カントリーが引っ越してきました。エレベーターを降りてすぐ目の前はジャズやワールド等のセクション、左側の通路をはさんでクラシックの棚が並んでいます。
先週、店員さんから伺った通り、クラシックの在庫枚数は確かに減っていないようでした。もちろん、一枚一枚確認できる訳もないのですが、一つの棚の段数を増やして収納枚数を増やし、CDをギュッと詰めることでスペースを確保したようです。
レジ側から作曲家別(アルファベット順)にCDを並べ、オペラ、声楽、吹奏楽、現代音楽、日本人演奏家のコーナーの棚が続く。オムニバスが、オケものはジャズ側、それ以外がヒストリカル側に分散した以外は、見慣れた配列。新譜コーナーは、レジの目の前の棚に移動していますが、こちらも枚数は変わっていない(従来の新譜コーナーの棚はジャズのCD)。
極力今まで通りの陳列を維持してくれていますが、今までのようにジャケットをまるごと見せ、時々手書きのポップ広告を添える形のディスプレイがなくなったのは大きな変化。専ら、ディスクの背表紙を見てディスクを探さねばならないので、渡辺謙のように「字が小さすぎて見えなーい!」と叫びそうになる方は出るかもしれない。
とは言え、大幅な売り場面積の減少にも関わらず、在庫枚数を死守してくれたことは、ファンとしてはとても嬉しい。感謝です。
嬉しい反面、悲鳴を上げたくなる気持ちもある。ジャズやワールドはこれまで、フロアが違うということで足が向かないこともありましたが、同じフロアになったことで面白そうなディスクと偶然出会う確率が上がり、衝動買いが増えるのではないかという気がするからです。事実、この間の金曜も、ワールドの試聴機で面白そうなディスクを見つけてしまい、レジに持って行く寸前で我慢しました(例えば、ブラジルのアレクシア・ボンテンポ、エストニアのマリ・カルクンなど)。
あと、2つのフロアが合併した形になるので、両フロアのスタッフが同じ場所にいて、レジ打ちもしてくれるのがちょっと新鮮でした。客層の幅が広がり、問い合わせなどに答えられる専門性の高い人たちが必要なのでそれは当然のことですが、ちょっときになることもある
つまり、在庫枚数は維持したけれど、スタッフの人数はどうなのかということ。スタッフの方々と同じく、組織で働く人間として、このフロア合併が人員削減によるコストカットを狙ったものではないと思いたい。うるさい客を相手に接客もし、フリーペーパーに評論家やライターもたじたじになるようなディスク評を書けるような能力を持った人たちが多いので、是非その人たちの「雇用」は守ってほしいなと。きっと大丈夫だろうとは思うのですが。
ともあれ、CDファンの殿堂、タワレコ渋谷店での買い物はこれからも続けていくことになります。これからも魅力ある遊び場であり続けてほしいと思います。
ということで、タワレコ渋谷店の今回のリニューアルに関するエントリーはこれで終わりにします。