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2020.08.03 Monday

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    【雑記】新しい (音楽) 生活様式

    2020.06.28 Sunday

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      ・演奏活動を再開した東京フィル

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

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       緊急事態宣言が解除され、在京オーケストラが徐々に活動を再開しています。

       

       試行錯誤や議論を重ね、様々な工夫を凝らした末、ようやく開催にこぎつけたリアルな演奏会がいくつか。6月に入って以降、久々にホールで繰り広げられたコンサートの模様を、メディアを通して目にする機会が増えました。

       

       いずれの演奏会も、感染予防への制約が多い中、非常に窮屈な状況で開かれてはいるものの、やはりナマで聴く音楽は格別!という喜びに満ちたコメントが、作り手、聴き手の双方から出されています。今後も、ウィルスの感染状況を注視しつつ、新しいコンサートの形態やあり方を模索し、「コロナ前」の状態へと少しずつ戻していく動きが活発化するのは間違いありません。

       

       しかし、ちょっと待てよと思う。

       

       コロナ以降、演奏会の作り手以上に、聴き手側の生活は大きく変わっている。

       

       例えば、今、私たちサラリーマンの多くの仕事場は、会社のオフィスではありません。テレワークでの在宅勤務の割合が非常に高くなっている。

       

       このワークスタイルは定着し、今後もずっと続くと思います。生産性やコミュニケーションという面で問題はあるにせよ、インターネットさえ使えれば、ほとんどの仕事ができてしまうことが分かってしまったからです。成果さえ出せば、もう毎日満員電車に揺られて出社しなくてもいい。それは非常に大きい。会社側にとっても、やはり問題はいろいろあるにせよ、コストカットになる面がある。今後、業務のテレワーク化が進むのには、労使ともにそれなりのメリットがあります。社会全般で、この在宅勤務推進の流れは加速するだろうと、容易に予測できます。

       

       ということは、平日の夜、「会社帰りにコンサートを聴きに行く」という状況は、私たちサラリーマンの「新しい生活様式」の中ではほとんどなくなるでしょう。日中は自宅で仕事をし、終わってから自宅を出てホールへと向かうことになる。

       

       そうすると、19時開演のコンサートの場合、今までは例えば18時過ぎに会社を出ても開演に間に合ったところ、今後は、もっと早い時間に自宅を出発しなければならなくなります。

       

       高々1時間程度、仕事を早く終わらせるなんていうのは、それこそ「働き方改革」で何とかすべきことなのでしょう。毎日朝早い時間に作業を開始するとか、徹底的に作業を効率化して毎日仕事を早く上げるとか、いろいろ解決策は考えられる。特に、裁量労働ならばやってやれないことはではありません。

       

       でも、在宅勤務になってから、以前より仕事量も勤務時間も増えているという調査結果もあり、夕刻早い時間に「勤務終了」を宣言する自分の姿を想像できる人は、どれくらいいるでしょうか。

       

       それに、もし仮に仕事を早めに終わらせられたとしても、一日の業務を終えた後で、長時間電車に乗って演奏会場に向かうと考えると、結構げんなりします。仕事のない土日に行く場合とは、条件がかなり違う。会場に着く頃にはかなり体力を消耗して、演奏中、ヘロヘロになって寝てしまうかもしれません。ちょっと不幸な状況ではあります。

       

       さらに、テレワークがさらに広まると、家賃も物価も高い都心を離れ、郊外で住み始める人も増えるかもしれません。会社側でも、社員の在宅勤務を前提として、コスト削減のためにオフィスを閉鎖するところも目立ち始めていると聞きます。そのため、コンサートホールが物理的に遠くなる人もいることでしょう。

       

       在宅勤務が増えたのを理由に、定期代を支給しない会社も出てきています。郊外から都心に出るためには、もう定期は使えず、切符を買わなければならない場合もある。コンサート行きたいならそれくらい我慢しろと言われるかもしれませんが、聴きに行く回数が増えれば増えるほど痛い出費です。

       

       もう一つ。

       

       日中は部屋にこもってテレワークをしている人が、仕事を終えて自宅を出て夜な夜なコンサートを聴きに行く。これを何の留保条件もなく気兼ねなく実行できるのは、独身者か、相当にゆとりのある環境にある人たちに限られるのではないかと思います。「お父さんは今日もまたコンサートなの?よくそんなお金あるね、仕事も大丈夫なの?」と言いたげな家族の視線を振り払い、堂々と会場に向かえる人はどれくらいいるでしょうか・・・。

       

       そう考えると、「新しい生活様式」の中でコンサート通い(私の場合は、通うというほどには全然行けていないのですが)をどうやって続けるかは、結構悩ましい問題なんじゃないかと思います。私が一人で考え込んでいるだけかもしれないし、地方のファンからすれば何を贅沢なことを言ってるんだと叱られるかもしれません。

       

       でも、今後、コンサートから足が遠のく人がいるとすると、活動を再開しようとしているオーケストラにとっては痛手です。お客さんにホールに来てもらってナンボの世界だからです。

       

      「どげんかせんといかん。ネガティブな問題をグチグチ垂れ流してないで、解決策を出せ」という声が私の頭の中で渦巻いています。でも、その答えは分かりません。もしすぐに思い浮かぶくらいだったら、私は竹中平蔵氏のようにオーケストラの理事になって、経営に金と口を出すでしょう。

       

       例えば、開演時間を遅らせて、20時とかにすればいいんじゃないかと考えました。でも、それだと終演時間も遅くなる訳で、それはそれで厳しい。朝型にシフトしたのならなおのことです。

       

       演奏会を極力休みの日に開くのはどうでしょうか。でも、東京のオーケストラすべてが土日に演奏会を開いたら、どういうことになるか。共食い、共倒れしかない。東京のオーケストラ多すぎじゃね?問題が顕在化してしまうので、即却下です。複数団体の定期をハシゴする熱心なコンサートゴーアーの方は、過労で倒れてしまうかもしれません。

       

       演奏会場を東京近郊に移すのはどうでしょうか。いやいや、これも難しい。横浜の聴き手が、東京のオケを埼玉に聴きに行くような状況になれば、それは厳しい。

       

       どうやら、演奏会の開催形態を変えるだけでは、ホールの「遠さ」を解消する方法とはなり得ないらしい。

       

       ならば、コロナで世界的に盛んになったコンサート配信は、今後ますます重要な役割を果たすのではないかと思います。定期演奏会動画のインターネットのナマ配信とオンデマンド。

       

       それは当然、代用品でしかありません。音質にも画質にも限界がある。演奏家側は配信をしながら「おお友よ、このような音ではない。是非ナマを聴きに来てほしい」と思うことでしょう。聴き手もそう強く願っている。

       

       でも、ホールに足を運べない聴き手のうち、演奏会の様子をリアルタイムで、あるいはもっと後で、自宅で楽しめることに大きな意義を感じる人は少なくないはずです。

       

       コンサートのライヴ配信は、有料で良いと思います。そう、あのベルリン・フィルの「デジタルコンサートホール」のように。何しろ、客席の入場制限のため、チケットの売り上げは増えそうにないのですから。

       

       その代わり、聴衆は全世界の人たちになります。びわ湖での「神々の黄昏」のように。ホールで実際に聴く人の何倍、何百倍の数の人たちが、世界各地から視聴してくれるかもしれないのです。

       

       少し前にテレビで知ったのですが、パブリックビューイングでオペラに触れた人たちの9割以上の人たちが、「次は劇場で観たい、聴きたい」とアンケートで回答していたそうです。それが真実なら、デジタル配信を活発化させることは、東京のオーケストラの優秀さ、個性を世界に広めるだけでなく、新しい聴き手を獲得するチャンスにも繋がるのだと思います。

       

       というようなことは、恐らく作り手の方々は考えておられるでしょう。今後、オーケストラの演奏会はバーチャルとリアルのバランスをとりながら、新しい形態へと変容していくのではないかと考えています。いや、そうならざるを得ないのではないかとさえ。

       

       とは言っても、やはりオーケストラのナマ音、早く聴きたい。今年の2月、ロト指揮東京都響を聴いて以来、まったく聴いていない。チケットを苦労して入手した演奏会も中止になってしまった。今後の演奏会のチケットは一枚も購入していない。私のコンサート用の耳は完全に干上がっています。このままでは死んでしまいます(音盤耳は生きているのですが)。

       

       今後のコンサート通いへの明るい展望は持てていないがゆえに、デジタル配信には大きな可能性を感じながらも、この飢え、渇きを早く癒したいと切望しています。コンサートホールで、舞台上の音楽家に大きな拍手を送れる日を、一日でも早く迎えられますように。

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