珠玉の小品 その9 〜 M.グールド/エレジー

2007.10.03 Wednesday

0
    イスラエルのメロディ
    モートン・グールド/エレジー TVドラマ「ホロコースト」より
    アラン・ヘザーリントン指揮シカゴ弦楽アンサンブル


     1978年10月に放送されたアメリカNBCのTVドラマ「ホロコースト」は、当時小学生だった私も見た記憶がありますし、
    その前に放送された「ルーツ」(クンタキンテ!)ほどではないにせよ、放映の翌日にはクラスでもかなり話題なっていたのを覚えています。

     そのドラマの内容はほとんど覚えておらず、メリル・ストリープが出演していたなどというのも今さっき知ったような状況ですが、その音楽を担当していたのがモートン・グールドだったということは覚えていました。

     1992年に発売された「イスラエルのメロディ」というアルバムは、本当はブロッホの作品を聴きたくて買ったのですが、ここに収められたグールドの「エレジー」の弦楽合奏版がとても印象に残りました。実はこの曲はドラマ音楽作曲の後に追加された曲だということなのですが、陰惨なドラマが終わった後、エンディングテーマとして使えそうな静かな音楽です。アウシュヴィッツの敷地に育った草がそよそよと風になびいているのを見るような風情の音楽で、そこにこめられた想いは、哀しさでも、祈りでもなく、ただ虚しさ、無力感のようなものに支配されたようなものに思えます。犠牲者のことをただひたすら無心に追憶しているような人の姿が見えます。

     あまりしょっちゅう聴きたいと思う種類の音楽ではありませんが、でも、いつまでも記憶にとどめておきたい音楽だと思っています。

     DELOSから出ているシュヴァルツ指揮の映画音楽集では、この曲はトランペットでメロディが演奏されていますが、私はこの弦楽合奏版でこそこの曲の美しさが際立つと感じています。最近入手困難なアルバムだそうで、誰かが新録音しないものかと鶴首しています。

    スポンサーサイト

    2019.05.08 Wednesday

    0
      コメント
      コメントする
      トラックバック
      この記事のトラックバックURL