Sarah Mclaclan 〜 Laws Of Illusion
2010.06.25 Friday
サラ・マクラクランの「サーフィシング」(1997)は、私にとってかけがえのないアルバムです。丁度このアルバムが発売になった頃、CDショップでたまたまこのアルバムのサラの物憂げで美しい表情に「ひとめぼれ」し、ヘッドフォンで試聴して「ひとみみぼれ」した時の体験が強烈だったからです。
思えば、サラのことなど何一つ知らず、何の先入観もなく、まったく白紙の状態で彼女の歌に触れることができたのが良かったのだろうと思います。彼女の書く歌の持つちょっとセンチメンタルなメロディが私の心に何の抵抗もなくすーっと入って来て琴線に触れましたし、彼女の透き通った声も、そしてピアノを中心としたどちらかといえばアコースティックなバッグのサウンドが私にはとても心地良かった。"I Love you"、"Angel"、"Adia"などは本当に私の大好きな歌になりました。そして、例によって私はすっかり彼女のファンになってしまい、アルバムを買い集めては愛聴してきました。
・Sarah Mclaclan
Surfacing (Arista)
→詳細はコチラ(HMV/Tower)
その彼女の、2003年の"Afterglow"以来、7年ぶりのフル・オリジナル・アルバムである"Laws of Illusion"を聴きました。(その間、"Winter Song"始め、カバーアルバムやベスト盤などがありました)
偉大なるワンパターンというか、予定調和的とも言える、まさにサラ・ワールドを楽しむべきアルバムと言うべきでしょうか。なるほどバックのアレンジに工夫があったり、新機軸を打ち出した面はありますが、でも、やっぱりどこをとってみても、「ああ、これがサラ・マクラクランの歌だ!」としか言いようのない世界。あの裏声と胸声を行ったり来たりするようなメロディラインと「こぶし」は健在ですし、ちょっぴり切なげな表情で憂いを聴かせるあたり、もう私のようなファンには、ツボを直接刺激されるような歌が満載。
でも、かといって、このアルバムが、彼女の「停滞」や「退化」を示したものであるとは私は思いません。むしろ、あの「サーフィシング」での繊細な少女のような可憐さを残したあどけなさが、年輪を重ね、豊かな人生経験を積んできた女性の、よりスケールの大きな、より味の濃い歌へと「深化」しているのを見る気がします。
もともと私は彼女の歌の中では、ゆったりしたバラードと、ミディアム・テンポのちょっとヨーロピアンなサウンドに包まれた歌が好きなので、"Loving You is Easy"、"Forgiveness"、"Rivers of Love"、"Don't give up on us"あたりが気に入りました。特に”Adia"や”Angel"の系統に連なる"Rivers of Love"の世界は本当にツボです。
彼女は、私と同じ学年の女子。ならば、例えば、極端な妄想ですが、もし彼女が小学校時代に日本に転校してきたら私の同級生になっていたかもしれない訳だし、それに、あの女性やあの女性とも同じ歳なのかと思うと、なかなかに胸にこみあげてくる思いがあります。そして、彼女が世界的に見ても特に才能のあるアーティストなので、同じ土俵で比べる訳にはいかないにしても、岩崎弥太郎流に言えば「まだなんちゃあなしとげちゃあおらんがじゃ」とひとりごつしか能のない自分の小ささを認識してしまったりもします。でも、そんなことはどうでもよくて、彼女が、私のような中年オヤジでも、自分の感覚でのびのびと聴ける美しい歌をこれからも紡ぎ続けてほしいと思います。偉大なるマンネリを続けるもよし、またあっと驚くようなイメチェンをはかるもよし。私はあなたにずっとついていきます!
思えば、サラのことなど何一つ知らず、何の先入観もなく、まったく白紙の状態で彼女の歌に触れることができたのが良かったのだろうと思います。彼女の書く歌の持つちょっとセンチメンタルなメロディが私の心に何の抵抗もなくすーっと入って来て琴線に触れましたし、彼女の透き通った声も、そしてピアノを中心としたどちらかといえばアコースティックなバッグのサウンドが私にはとても心地良かった。"I Love you"、"Angel"、"Adia"などは本当に私の大好きな歌になりました。そして、例によって私はすっかり彼女のファンになってしまい、アルバムを買い集めては愛聴してきました。
・Sarah Mclaclan
Surfacing (Arista)
→詳細はコチラ(HMV/Tower)
その彼女の、2003年の"Afterglow"以来、7年ぶりのフル・オリジナル・アルバムである"Laws of Illusion"を聴きました。(その間、"Winter Song"始め、カバーアルバムやベスト盤などがありました)
偉大なるワンパターンというか、予定調和的とも言える、まさにサラ・ワールドを楽しむべきアルバムと言うべきでしょうか。なるほどバックのアレンジに工夫があったり、新機軸を打ち出した面はありますが、でも、やっぱりどこをとってみても、「ああ、これがサラ・マクラクランの歌だ!」としか言いようのない世界。あの裏声と胸声を行ったり来たりするようなメロディラインと「こぶし」は健在ですし、ちょっぴり切なげな表情で憂いを聴かせるあたり、もう私のようなファンには、ツボを直接刺激されるような歌が満載。
でも、かといって、このアルバムが、彼女の「停滞」や「退化」を示したものであるとは私は思いません。むしろ、あの「サーフィシング」での繊細な少女のような可憐さを残したあどけなさが、年輪を重ね、豊かな人生経験を積んできた女性の、よりスケールの大きな、より味の濃い歌へと「深化」しているのを見る気がします。
もともと私は彼女の歌の中では、ゆったりしたバラードと、ミディアム・テンポのちょっとヨーロピアンなサウンドに包まれた歌が好きなので、"Loving You is Easy"、"Forgiveness"、"Rivers of Love"、"Don't give up on us"あたりが気に入りました。特に”Adia"や”Angel"の系統に連なる"Rivers of Love"の世界は本当にツボです。
彼女は、私と同じ学年の女子。ならば、例えば、極端な妄想ですが、もし彼女が小学校時代に日本に転校してきたら私の同級生になっていたかもしれない訳だし、それに、あの女性やあの女性とも同じ歳なのかと思うと、なかなかに胸にこみあげてくる思いがあります。そして、彼女が世界的に見ても特に才能のあるアーティストなので、同じ土俵で比べる訳にはいかないにしても、岩崎弥太郎流に言えば「まだなんちゃあなしとげちゃあおらんがじゃ」とひとりごつしか能のない自分の小ささを認識してしまったりもします。でも、そんなことはどうでもよくて、彼女が、私のような中年オヤジでも、自分の感覚でのびのびと聴ける美しい歌をこれからも紡ぎ続けてほしいと思います。偉大なるマンネリを続けるもよし、またあっと驚くようなイメチェンをはかるもよし。私はあなたにずっとついていきます!