早朝に −フィンランド管弦楽名曲集ー パヌラ指揮カメラータ・フィンランディア他

2010.06.30 Wednesday

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    ・早朝に −フィンランド管弦楽名曲集ー 
     ヨルマ・パヌラ指揮カメラータ・フィンランディア他(Naxos)
     →詳細はコチラ(HMV/Tower)





     仕事を終えて帰宅してTVをつけたら、まだW杯の日本対パラグアイ戦、後半戦の真っ最中でした。自分は特にサッカーファンでもなし、今までの試合も特にちゃんとは見なかったし、今日も特に見るつもりはなかったのですが、やっぱり途中から見出すと止まらなくて、着替えもせずにそのまま最後まで見てしまいました。PK戦ではもう本当に心臓が止まりそうなくらい緊張しましたし、敗戦が決まった時も、何だか熱いものがこみ上げて来て、もらい泣きしてしまいました。選手たちやコーチングスタッフは、冷静になって「勝てなかった」理由をこれから考えていくのだろうと思いますが、今はとにかくおつかれさまと言いたいです。

     寝る前に気分が昂揚してしまってどうにも困ってしまったので、先日買ったまま未聴だったCDを聴くことにしました。それは、Naxosレーベルから出た「早朝に」という2枚組のアルバムで、内容は、フィンランドの作曲家たちの手による管弦楽小品集です。演奏は、フィンランドの名教師ヨルマ・パヌラ(セーゲルスタムやサロネンらを輩出)指揮のトゥルク・フィル(Disc1)とカメラータ・フィンランディア(Disc2)。Disc1のトゥルク・フィルとのアルバムは既発売で私も持っていたのですが、2枚目の方は、確かフィンランドのみでのローカル・リリースで日本では入手困難だったもの。前から聴きたいと思っていたディスクが発売されたので、Disc1のダブりには目を瞑って購入しました。Naxosもまったく油断ならないです。

     そして今日はそのDisc2の、パヌラがカメラータ・フィンランディアを指揮したアルバムの方を聴きました。曲目は、シベリウスを始めとして、メリカント、カスキ、メラルティン、クーラ、パルムグレンといったお馴染みの人たちの作品を中心に、ソールストレム、ミッコラ、ユルハ、パチウスといった名前さえ知らない人たちの作品が計18曲収録されています。

     本当に高ぶった心を鎮めるにはもってこいの、静謐で透明な抒情にあふれた音楽ばかりです。ヴァイオリン独奏が甘い旋律を歌うメラルティンの「子守歌」、石清水のような濁りのないみずみずしさが胸を打つソールストレムの「エレジー」、そして私の大好きなシベリウスの「鶴のいる情景」と「クリスチャン2世」のエレジーは言うまでもなく宝石のような輝きを持った素晴らしい小品。しかも、どの曲もどこかに憂いのような感情がほのかに入り込んでいて、その美しさをより引き立てているようで胸を打ちます。どことなく日本人の感性にぴったりくるような親しみを感じるのは、フィンランド語が日本語の響きがほんの少し似ていることと何か関係があるのでしょうか。

     ともかく、他の曲もどれも全身の力を抜いて、心地良い響きにいつまでも身を浸していたいと思えるようなまさに珠玉のアルバムだと思います。パヌラ指揮するオケも、ちょっとひんやりとした感触を感じさせながらも、心のこもった歌に満ちた演奏が素敵です。Disc1の方は今回はまだ聴き直していませんが、私の記憶ではオケの響きが余りに薄味過ぎて曲によっては物足りない思いをしたように思いますが、こちらのDisc2ではそんな不満は一切ありませんでした。本当に手作りのいい音楽です。

     例によって、ディスクのオビの解説文が素敵で、「朝のすがすがしいひと時に聴くもよし、夜のしじまに流すもよし、夜のしじまに流すもよし、もちろん仕事をしながら、食事をしながらのBGMにも最適です」という言葉にウソはありません。私がそこに言葉を付け足すとするなら、「ひとりでしんみり聴くもよし、愛する人と肩を寄せ合ってあたたかく聴くもよし」ということでしょうか。

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    2019.05.08 Wednesday

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