チャイコフスキー/「四季」 あれこれ
2007.12.31 Monday
2007年も残すところあと1日を切りました。
今年の「聴き納め」を何にするかはまだ思案中ですが、私は最近、チャイコフスキーの「四季」をよく聴いているので、個人的にはいろいろあった一年をこの曲で締めくくるのも良いかなとも思っています。
チャイコフスキーの「四季」は言うまでもなくピアノ独奏曲ですが、今までは、以前このブログで取り上げた弦楽合奏版しか聴いたことがなかったので、最近、ようやくピアノの原曲を聴いてみたらとても気に入りました。そして、さらにいくつかの編曲版も気になってCDを入手し、あれこれ聴き比べをしました。
以下が私が新たに聴いたCDです。
原曲ピアノ版:ウラジーミル・トロップ(p)
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ガウク編曲管弦楽版:スヴェトラーノフ指揮ソ連国立響
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ガウク編曲管弦楽版:ネーメ・ヤルヴィ指揮デトロイト響
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ブレイナー編曲Vn&オケ版:西崎(Vn)ブレイナー/クイーンズランド響
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ベコヴァ・シスターズ編曲ピアノ三重奏版:ベコヴァ・シスターズ
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いずれの版も、曲の持ち味を良く生かした編曲がなされていて魅力的でした。
ガウク編曲のオケ版は多彩な「音色感」が特徴で、賑やかな曲では打楽器も活躍しますが、静かな曲では愁いを帯びた甘美な響きをじっくりと聴かせてくれます。特に、私の偏愛する「秋の歌」の深い味わいのある音色感はとても心に沁みます。スヴェトラーノフはその音色感を非常に濃厚な「ロシア」色に染め上げて聴かせてくれます。ヴィヴラートのたっぷりかかったホルンの弱奏などがその顕著な例です。
一方のヤルヴィの演奏は都会的な洗練された演奏で、繊細な歌い口が印象的ですが、どちらかといえばスヴェトラーノフの「憂愁」の方に強い魅力を感じます。
次に、聴く前はゲテモノかと思われたヴァイオリンとオケの版は、協奏曲風に独奏楽器とオケが拮抗するのではなく、まるで歌とその伴奏のような趣。無言歌を聴いているような気がして違和感はなく、その奥ゆかしさに好感がもてます。西崎のヴァイオリンも味のある歌い口でしっとりと聴かせてくれます。
ピアノ三重奏版は、原曲が暖炉の前でおじいちゃんの昔話を聞いている風景だとすると、こちらは暖炉の前で友人が集まって語らっているような風景とでも言えそうな気がします。ピアノの旋律がヴァイオリンとチェロに割り振られていて、あたかも「対話」になっているのです。三姉妹によって奏でられるインティメートな音楽の対話、聴いていて温かい気持ちになります。
そして、最後に原曲のピアノ版。
知人に薦められたトロップのCDを聴いてみましたが、とても素晴らしい演奏だと思いました。とろけるような甘い音色と、柔らかく包み込むような優しいタッチが印象的です。
これこそ、暖炉の前で含蓄のあるお話を聞かせてもらっているような気分にさせてくれます。
今年の最後、どの「四季」で一年を振り返ることにしようかと、集めたCDを目の前にして楽しみつつ迷っているところです。
今年の「聴き納め」を何にするかはまだ思案中ですが、私は最近、チャイコフスキーの「四季」をよく聴いているので、個人的にはいろいろあった一年をこの曲で締めくくるのも良いかなとも思っています。
チャイコフスキーの「四季」は言うまでもなくピアノ独奏曲ですが、今までは、以前このブログで取り上げた弦楽合奏版しか聴いたことがなかったので、最近、ようやくピアノの原曲を聴いてみたらとても気に入りました。そして、さらにいくつかの編曲版も気になってCDを入手し、あれこれ聴き比べをしました。
以下が私が新たに聴いたCDです。
原曲ピアノ版:ウラジーミル・トロップ(p)
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ガウク編曲管弦楽版:スヴェトラーノフ指揮ソ連国立響
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ガウク編曲管弦楽版:ネーメ・ヤルヴィ指揮デトロイト響
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ブレイナー編曲Vn&オケ版:西崎(Vn)ブレイナー/クイーンズランド響
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ベコヴァ・シスターズ編曲ピアノ三重奏版:ベコヴァ・シスターズ
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いずれの版も、曲の持ち味を良く生かした編曲がなされていて魅力的でした。
ガウク編曲のオケ版は多彩な「音色感」が特徴で、賑やかな曲では打楽器も活躍しますが、静かな曲では愁いを帯びた甘美な響きをじっくりと聴かせてくれます。特に、私の偏愛する「秋の歌」の深い味わいのある音色感はとても心に沁みます。スヴェトラーノフはその音色感を非常に濃厚な「ロシア」色に染め上げて聴かせてくれます。ヴィヴラートのたっぷりかかったホルンの弱奏などがその顕著な例です。
一方のヤルヴィの演奏は都会的な洗練された演奏で、繊細な歌い口が印象的ですが、どちらかといえばスヴェトラーノフの「憂愁」の方に強い魅力を感じます。
次に、聴く前はゲテモノかと思われたヴァイオリンとオケの版は、協奏曲風に独奏楽器とオケが拮抗するのではなく、まるで歌とその伴奏のような趣。無言歌を聴いているような気がして違和感はなく、その奥ゆかしさに好感がもてます。西崎のヴァイオリンも味のある歌い口でしっとりと聴かせてくれます。
ピアノ三重奏版は、原曲が暖炉の前でおじいちゃんの昔話を聞いている風景だとすると、こちらは暖炉の前で友人が集まって語らっているような風景とでも言えそうな気がします。ピアノの旋律がヴァイオリンとチェロに割り振られていて、あたかも「対話」になっているのです。三姉妹によって奏でられるインティメートな音楽の対話、聴いていて温かい気持ちになります。
そして、最後に原曲のピアノ版。
知人に薦められたトロップのCDを聴いてみましたが、とても素晴らしい演奏だと思いました。とろけるような甘い音色と、柔らかく包み込むような優しいタッチが印象的です。
これこそ、暖炉の前で含蓄のあるお話を聞かせてもらっているような気分にさせてくれます。
今年の最後、どの「四季」で一年を振り返ることにしようかと、集めたCDを目の前にして楽しみつつ迷っているところです。