ミスティ ムーン 純名りさ



純名りさ 〜 ミスティ ムーン

 ほんの数ヶ月前のこと、近所のブックオフで中古CDを見ていたら、純名りさ(当時は里沙)の"Propose"という廃盤のアルバムを見つけ買ってしまいました。私は彼女がNHKの連続テレビ小説「ぴあの」で出演していた頃からの大ファンですが、久石譲プロデュースとなるこのアルバムが出ていたことさえも知りませんでした。買ったCDを聴いてみると、歌い口が少し生真面目すぎるかという気はしますが、何よりくもりのない透明な声が心地良く、この人の歌をもっと聴きたいと思いました。そして、もしかしたら、結構クラシックの曲でもいけるかなあなどとも感じてもいました。

 しかし、世の中、同じようなことを考える方もおられるようです。最近、彼女がクラシックのクロスオーバー系アルバムを出しました。私自身は、こうしたクロスオーバーアルバムはさほど好きではないのですが、やはり彼女のファンとしては気になってしかたがないので買って聴きました。

 純然たるクラシック曲はグノーの「アヴェ・マリア」とサン・サーンスの「白鳥」、それと、だったん人の踊りが原曲の「ストレンジャー・イン・パラダイス」の3曲で、あとは、「虹の彼方に」「コーリング・ユー」「スマイル」「ムーン・リヴァー」、そしてオリジナルの「月の庭」というラインナップです。

 彼女の歌ですが、相変わらずの透明で張りのある声がとても美しいですし、あらかじめ決めた歌のイメージを完璧に音にしようという真剣さに胸を打たれます。高音での声の張り方やビブラートのかけ方など、自分の声の特質をよく知った上で、ちゃんと効果を計算して歌っているところがさすがプロ(宝塚出身)だなあと感心します。きっと彼女は心のきれいな人なのだろうなあと彼女の写真の美しい瞳を見たりして。アレンジもシンプルで華美になりすぎていないところが良く、聴き疲れもしません。

 私が彼女の古いアルバムを聴いたときに抱いた願望も満たされた訳で、かなり贔屓が入っていますが、なかなかいいアルバムだと思います。

 ただ、不満もあります。

 彼女の歌は、ここでもやはり生真面目という印象がとても強く、それが悪いとは言いませんが、変な言い方ですが、彼女の「生身」の女性の「心のうた」を聴きたいという気がします。曲がクラシックだろうがなんだろうが何でもいいのですが、彼女の持つ歌のテクニックを超えたところで聴かせてくれるものに触れたいです。彼女は、何と言っても女優さんで、ミュージカルを得意とされているので、当り役の歌を、そう、ライヴで録音して集めて発売するとか、もっと彼女の本音の部分をストレートに出せる企画ができるのではないかと思いました。

 本田美奈子亡き後のクラシック系ポップス歌手の枠に彼女を当てはめ、戦略としてクラシック系の歌を「歌わせ」て商品として「消費させる」のではなく、彼女自身の特質と音楽の志向性を重視した上で、素材として時としてクラシックも歌う、
というふうにして、息の長い活動を続けより良いものを作って聴かせてほしいと思います。

 それにしても、彼女が歌う姿、ナマで拝みたいものです。

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